ZIGGY
NOW AND FOREVER
商品番号:
LIVE CD EDITION/TKCA-73262
PV EDITON/TKCA-73267
Release Date:2007.10.24
Produced by:ZIGGY
最高位:58位
では、ZIGGYで何やる?って考えたら、
もう精神性でしかないんですよね。20年間の精神性。
森重樹一/「MUSIC UP’S」vol.38 インタビューより
津谷正人脱退後初のアルバムで、通算15作目のフルアルバム。前作「JUST A ROCKIN’NITE」から2年9ヶ月ぶりという長いインターバルで発表された。 空席のベースには、サポートとして元ストリート・スライダーズのJAMES(市川洋二)が迎えられ、松尾をサポートするもう1人のギタリストとして、THE PRODIGAL SONSからJIMMYが招かれる。結果、デビュー以来初の5人編成となったが、アマチュア時代、戸城憲夫加入前のZIGGYは5人編成であり、本来の姿に戻っただけなのだ。
このアルバム発表後のツアーで、森重は、松尾を「バンマス」と紹介したことからもわかるように、音作りの主導権は、どちらかというと松尾にあり、彼が標榜するROLLING STONES的ROCK’N ROLLを基本ラインに、森重のSION影響下の内省的な歌が絡むといったTHE PRODIGAL SONSの延長線上の音作りがなされている。
しかし、この路線で行くならば、宮脇の存在感は稀薄であり、サウンド的に彼の手数の多い重たいドラムはミスマッチになるものだが、向上心の強い彼らしく、チャーリー・ワッツ(THE ROLLING STONESのドラマー)を研究するつもりで、松尾、森重の方向性を受け入れ、キッチリとアーシーなサウンドに対応したドラムを叩いている。
一方の森重が、このアルバムで重要視したことは”言葉”だ。松尾と宮脇の音楽的ミスマッチを考えた上で、森重は、このバンドが「ZIGGY」である必然性を表現するには、音ではなく”言葉”であるとの結論に達した。”言葉”を優先させた上で、そこに松尾、宮脇の二人がアプローチするという形を取るのが、それぞれのソロプロジェクトとは重ならないZIGGYである必然性と森重は考えたのだ。
[7]の「掛け違えたボタン~」といったフレーズは、暗にZIGGYの現状を物語っており、印象深いが、それ以上にインパクトのあるのが「I’M GETTIN BLUE」のアンサーソングである[9]であり、「BIRDS ON STRINGS」のアンサーソングである[5]だ。[9]はレコーディングで真っ先に提示された曲であり、このアルバムの言葉の重要性を位置づけた指標となる曲である。
松尾が、ファンキーな[6]や、60’sのストーンズを思わせるオールドロックンロール[8]など、かなりの洋楽嗜好で、マニアックなものを提供する一方、森重は、[3][4][10]でSION影響下の、内省的なシンガーソングライター然としたナンバーを提供。特に[3][10]のヴォーカリストとしての彼の成熟度、表現力には堂々とした風格があり、舌を巻く。
ストーンズ影響下のロックンロールバンドとしては、[1][2]の完成度は素晴らしいの一言に尽きる。特にJIMMYのワウを効かせたソロと、松尾のリフのギターアンサンブルの素晴らしさに加え、サビの親しみやすい歌メロが融合された[2]は、完成された新しいZIGGYの音となっており、もはやZIGGYはB級バンドではなく、本格的なロックバンドになったことを実感させられる。
しかし、このアルバムが従来のZIGGYファンに好意的に受け入れられたとは思えない。ZIGGYの主なパブリックイメージとは、森重の「歌もの」であり、SHSや戸城憲夫在籍時のハードロック色の濃い上に親しみやすいメロディがある日本人ならではのロックだからだ。ゆえに、このアルバムはクオリティとは全く無関係にファンからの評価は低く、「ZOO&RUBY」「CRAWL」同様、問題作となってしまった。このファンの評価が、ZIGGYの名の下で活動する不自由さを一層明らかにした結果として、彼らは、2007年末のカウントダウンLIVEを最後に無期限活動停止という結論を下すことになる。
なお、この作品は、近年の(ZIGGYに限らず)CDの売り上げ減少に対する防衛策として、2種類の商品が用意された。一つが[5]のプロモーション・ビデオをCDエクストラで収録した「PV EDITION」であり、もう一つは2007.07.22の大阪BIG CATでのLIVEテイクを5曲収めたCDが追加された2枚組「LIVE CD EDITION」である。これは、20年に及ぶZIGGYの歴史で初めて登場したLIVEアルバムということになる。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。


