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NOW AND FOREVER
商品番号:
LIVE CD EDITION/TKCA-73262
PV EDITON/TKCA-73267
Release Date:2007.10.24
Produced by:ZIGGY
最高位:58位
では、ZIGGYで何やる?って考えたら、
もう精神性でしかないんですよね。20年間の精神性。
森重樹一/「MUSIC UP’S」vol.38 インタビューより
津谷正人脱退後初のアルバムで、通算15作目のフルアルバム。前作「JUST A ROCKIN’NITE」から2年9ヶ月ぶりという長いインターバルで発表された。 空席のベースには、サポートとして元ストリート・スライダーズのJAMES(市川洋二)が迎えられ、松尾をサポートするもう1人のギタリストとして、THE PRODIGAL SONSからJIMMYが招かれる。結果、デビュー以来初の5人編成となったが、アマチュア時代、戸城憲夫加入前のZIGGYは5人編成であり、本来の姿に戻っただけなのだ。
このアルバム発表後のツアーで、森重は、松尾を「バンマス」と紹介したことからもわかるように、音作りの主導権は、どちらかというと松尾にあり、彼が標榜するROLLING STONES的ROCK’N ROLLを基本ラインに、森重のSION影響下の内省的な歌が絡むといったTHE PRODIGAL SONSの延長線上の音作りがなされている。
しかし、この路線で行くならば、宮脇の存在感は稀薄であり、サウンド的に彼の手数の多い重たいドラムはミスマッチになるものだが、向上心の強い彼らしく、チャーリー・ワッツ(THE ROLLING STONESのドラマー)を研究するつもりで、松尾、森重の方向性を受け入れ、キッチリとアーシーなサウンドに対応したドラムを叩いている。
一方の森重が、このアルバムで重要視したことは”言葉”だ。松尾と宮脇の音楽的ミスマッチを考えた上で、森重は、このバンドが「ZIGGY」である必然性を表現するには、音ではなく”言葉”であるとの結論に達した。”言葉”を優先させた上で、そこに松尾、宮脇の二人がアプローチするという形を取るのが、それぞれのソロプロジェクトとは重ならないZIGGYである必然性と森重は考えたのだ。
[7]の「掛け違えたボタン~」といったフレーズは、暗にZIGGYの現状を物語っており、印象深いが、それ以上にインパクトのあるのが「I’M GETTIN BLUE」のアンサーソングである[9]であり、「BIRDS ON STRINGS」のアンサーソングである[5]だ。[9]はレコーディングで真っ先に提示された曲であり、このアルバムの言葉の重要性を位置づけた指標となる曲である。
松尾が、ファンキーな[6]や、60’sのストーンズを思わせるオールドロックンロール[8]など、かなりの洋楽嗜好で、マニアックなものを提供する一方、森重は、[3][4][10]でSION影響下の、内省的なシンガーソングライター然としたナンバーを提供。特に[3][10]のヴォーカリストとしての彼の成熟度、表現力には堂々とした風格があり、舌を巻く。
ストーンズ影響下のロックンロールバンドとしては、[1][2]の完成度は素晴らしいの一言に尽きる。特にJIMMYのワウを効かせたソロと、松尾のリフのギターアンサンブルの素晴らしさに加え、サビの親しみやすい歌メロが融合された[2]は、完成された新しいZIGGYの音となっており、もはやZIGGYはB級バンドではなく、本格的なロックバンドになったことを実感させられる。
しかし、このアルバムが従来のZIGGYファンに好意的に受け入れられたとは思えない。ZIGGYの主なパブリックイメージとは、森重の「歌もの」であり、SHSや戸城憲夫在籍時のハードロック色の濃い上に親しみやすいメロディがある日本人ならではのロックだからだ。ゆえに、このアルバムはクオリティとは全く無関係にファンからの評価は低く、「ZOO&RUBY」「CRAWL」同様、問題作となってしまった。このファンの評価が、ZIGGYの名の下で活動する不自由さを一層明らかにした結果として、彼らは、2007年末のカウントダウンLIVEを最後に無期限活動停止という結論を下すことになる。
なお、この作品は、近年の(ZIGGYに限らず)CDの売り上げ減少に対する防衛策として、2種類の商品が用意された。一つが[5]のプロモーション・ビデオをCDエクストラで収録した「PV EDITION」であり、もう一つは2007.07.22の大阪BIG CATでのLIVEテイクを5曲収めたCDが追加された2枚組「LIVE CD EDITION」である。これは、20年に及ぶZIGGYの歴史で初めて登場したLIVEアルバムということになる。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
JUST A ROCKIN’ NITE
「単純に「年を重ねたから渋めのサウンドをやろうぜ」という発想ではないんだよ。逆に言えばハードなギターがあって当たり前という状況を一度否定して、そうではない音で攻めてみようというアプローチは、新鮮なステップであることは間違いないんだけど…」
森重樹一/「Rockin’ f」2005年インタビューより
SNAKE HIP SHAKESの活動以降、半年に一度のペースで新作をリリースしてきた彼らだが、「ROCK AND ROLL FREEDOM!」発表後、メンバーのソロ活動が活発化したため、1年4ヶ月の間をおいての新作発表。しかし、出来上がった作品は、またしてもファンの間で賛否両論が飛び交う問題作となった。
森重は「バッドボーイズロック」を前面に押し出したソロ活動に続き、かつての相棒・戸城憲夫のバンドThe DUST’N’ BONEZに加入。刺激的な相手との共同作業の素晴らしさを思い出し、ZIGGYの看板の重荷から解放された活動を満喫。一方、松尾宗仁は高樹リオ、宮脇’JOE’知史らとのGlass Dorcus と同時進行で、自分の趣味を全開にしたソロアルバムを発表。この時期、彼らにとって果たしてZIGGYが一番大事だったかは、かなり怪しい…。
40代のロックバンドとしての今後も踏まえた上で、新たなるZIGGY像を模索している状況下ゆえ、舵取りになる人物が必要であるという森重の提案で、共同プロデューサーに近年のツアーやレコーディングで親密だった三国義貴氏が選ばれ、04年内にアルバムをリリースすべくプリプロがスタートした。しかし森重と松尾で、曲に対するアプローチで意見が対立。しばらくして松尾は森重に「森重に合うのは、もっとテクニックのあるクラシカルなラインの弾けるギタリストではないのか?」と電話で提案。更に自身の音楽業界からの引退をもほのめかす。加齢や様々な出来事が彼を窮地に追い込んでいたのかもしれない。だが、森重にとって松尾は、神田和幸と並ぶ「自分の曲を最も理解しているギタリスト」である以上、彼の離脱は避けなければならない。一時期は解散も考えた森重だが、危機的状況を何とか乗り越え、レコーディングは続けられた。
こういった苦悩の結果か、アルバムは松尾と森重の共通の趣味を強調したかのような渋めのロックアルバムとなり(松尾のギターは明らかにソロ活動の延長線上であるROLLING STONESを意識した音になっており[4][9]のようなストーンズサウンドの再現ともいうべき曲も生まれている。)今までのZIGGYにあった明確なわかりやすいサウンドは影を潜めている(従来の森重節ともいうべき曲は[2][8]のみ)。「脱ハードロック」をテーマに作業が進んだためか、森重の渋めバラード路線[3]、まるで「ZOO&RUBY」時の作風に戻ったかのような完成度の高いポップソング[5]、美しいバラード[6]など「オトナのZIGGY」ともいうべき作品が目立つ。今回のアルバムを象徴するかの様なハードロック色を排したロックンロール[1]も完成度が高いが、これは[7]とともにメジャーデビュー前のZIGGYでも演奏されていた古い曲である。 また三国との共同作業故か、音質、アレンジともかなり美しい音に仕上がっていることも特徴だ。
だが、こういった路線に違和感を感じたのは一部のファンだけではなく、森重自身でもあったことは「BURRN!」などのインタビューからも明らかだ。
迷いが感じられる作品であるのは否定できない。だが、ZIGGYがこれからも継続していくなら、ここで提示された「オトナのZIGGY」は後々の活動のための大きな礎になっているはずだ。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
VICISSITUDES OF FORTUNE
商品番号(限定盤10,000枚):
MECR-6001~04
商品番号(通常盤):MECR-5001~04
Release Date:2004.09.08
Produced by:ZIGGY
最高位:50位
ZIGGYをZIGGYたらしめてるものは何なのか、という事に基づいてないと、ベストを出す意味もないと思うので
森重樹一/「BURRN!」2004年11月号 インタビューより
ZIGGY結成20周年を記念した4枚組のベスト盤。初回盤と通常盤の2パッケージが用意され、前者にはファミリーツリー、すごろく、写真集などが添付された豪華ハードケース仕様でのリリース。
また単なるベストというだけでなく、幻だったインディーズ盤の「それゆけ!R&R BAND」からDISC1[1][2]が収められ、「YELLOW POP」制作時のデモ音源3曲(DISC2[4][5][6])、「ZOO&RUBY」時のデモ音源4曲(DISC2 [11][12][13][14])も収録されている。[11][12]は、ゲストの横関敦のメタリックな早弾きフレーズを聴くことの出来る興味深いナンバー。[11]は後にMERCY BANDに提供した曲の初期バージョン。更に新曲も2曲(DISC4[11][12]で近年のZIGGYに顕著なROLLING STONES的色彩の感じられるROCK’N ROLLとバラード)が収められ、今まで全部のアルバムを持ってるファンも手に取らざるを得ない豪華版になっている。なお、選曲は主に森重を中心に行われ、全曲リマスタリングされた音源を使用している。
ベストという体裁にこだわれば、クオリティ低めなデモ音源を入れる必然性への疑問、あの名曲、このシングルカップリング曲は、なぜ収録されなかった……など問題はあるが、今までのベスト盤のようにZIGGYのポップな側面ばかりが強調されたものではなく、ZIGGYの幅広い音楽性と素場らしさを、歴史順に紹介したこの選曲は画期的だと思う。もし、お金と時間に余裕があるZIGGY初心者なら迷わず手にとって欲しい。ここに収められたのは豊かな才能から生み出された宝物達であり、果敢なチャレンジを繰り返したロック馬鹿達の素晴らしい記録なのだから……
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
ゴールデン☆ベスト
レコード会社主導で発表されたベストアルバム(おそらくメンバーは、選曲等にはノータッチだと思われる)。この「ゴールデンベスト」シリーズは、他の各レコード会社からも多数発表されているお手軽ベストの定番シリーズであり、このリリースは、好意的解釈をすれば、日本のロックの歴史の一部としてZIGGYが認められたと言うことではないだろうか?
内容だが、「OREDER MADE」を拡大したような一般的ZIGGYイメージに忠実なもの…を予想していた人が大半だと思うが、以外にも侮れない選曲だ。冒頭の9曲は大ざっぱなZIGGYイメージに忠実なベストとして始まり、半ば幻になっていた「SING MY SONG」のカップリング曲[10]以降はシングル曲を中心に選曲…といった構成になっている。
ベスト盤として正しいかどうかは別にして、廃盤・入手困難になっていしまったシングルのカップリング曲(DISC1 [10]、[15] DISC2[10]、[12]、[15])が多数収められているのは、後追いファンにとってはたまらなくうれしいだろう。また、アルバム収録曲でもDISC1[2]、[14]、DISC2[16]、[17]はシングルバージョンでの収録(もっとも違いがハッキリわかるのはDISC1の2曲だけだが…)であり、マニアにもありがたい内容になっている。ここまでやったにもかかわらず「Silent Eveを待ちながら」のカップリング「無力なViolence」が未収録なのが惜しまれるところだ。
ブックレットは「HOT LIPS」「それゆけ!R&R BAND RE-VISITED」の使い回しで安っぽいベストではあるが、初期のアルバムが製造中止(廃盤?)の状態が続いている中、とりあえず初心者に勧められるベストが出たことは喜ばしい。次は初期のオリジナルアルバム再発売を望みたい。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
HEAVEN AND HELL COMPLETE BOX
ZIGGYから随分離れてしまった人達に向けてリリースしてるっていう意識もあるのね。ZIGGYって何やってんのかな、で、偶然レコード屋に行ったら棚にあって、聴いてみる、それでいいと
森重樹一/「BURNN!」2004年05月号 インタビューより
突然発売された謎のボックスセット。中身は「HEAVEN AND HELL」「HEAVEN AND HELL II」の金銀の2枚セットに、野音のLIVEDVD「DEBUT 15th ANNIVERSARY LIVE HEAVEN AND HELL」を追加したCD2枚、DVD1枚の3枚組。価格も通常に買うよりも7000円ほど安い…という驚異の値段設定。遅れてZIGGYファンになった人には、たまらなくうれしいBOXだろう。
そして、既に購入済の人間にも聞いてもらえるようにとの配慮からか「金盤」は近年のZIGGYに無くてはならないエンジニア、赤波江敦夫によるリミックスバージョンで、銀盤はリマスタリングバージョン、DVDはディレクターズカットと称し9分ほどリハーサル風景が追加収録されている。
ここで問題になるのは金盤のリミックス盤だ。かなり印象の違う音に仕上がっており、金盤に否定的だった人にも、このアルバムの良さを認識してもらえる可能性を感じる秀逸な仕上がりになっている。(これはこれで賛否両論ありそうだが…)
私は残念ながらエンジニア的な耳を持っていないので、印象だけで書いてみるが、その印象を表にしたのが下記のモノだ。全般的に、ボーカル中心のミックスがオリジナル、楽器中心のミックスでエフェクトを強調したのが今回のリミックス盤…というのが私の印象だ。
No | TITLE | リミックス盤での変更点(だと思われる箇所) |
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1 | MY CONVICTION | 楽器中心、JOEのドラム目立つ 重低音目立つ ギターソロの録音レベルが前半と後半で違う |
2 | ONEWAY TRAIN 〜ROCK’N ROLL IS STILL ALIVE〜 |
ボーカルのエフェクト強め(50秒あたりは特に) 1’50″あたりのドラム強調 2’00″あたりのベース強調 こっちの方がカオス状態 |
3 | AGAIN | ドラム、ギター、ベース強調 「せつない別れ~」エフェクト強調、コーラス強調 「イノセンツ~」あたりの宗仁のアルペジオエフェクト強調 ギターソロ バックのドラム強調 |
4 | SO HAPPY | ボ-カルエフェクト強調 サビでのコーラス強調 フーリガンコーラス前 リズム隊強調 |
5 | HEAVEN AND HELL | ボ-カルエフェクト強調 サビでのコーラス強調 フーリガンコーラス前のリズム隊強調 |
6 | CELEBRATION | 楽器強調のミックス 3’10″あたりのボーカルエフクト強め |
7 | SLAVE TO LOVE | 低音強調 ボーカルはエフェクト強め |
8 | サダメノツルギ | ベース、ボーカル特にエフェクト強調 広がりが出てるようなミックス 「命の花が~」森重のボーカル、エフェクト強調 「パンドラ~」ベース強調 |
9 | 明日は誰も知らない | ドラムにエフクト強調?ドタバタ感が強調される カズー引っ込んでギターソロ強調された印象 |
10 | 希望という名の花 | エフェクト強め。 オリジナルはボーカルとギターがひとまとめになったような印象だったが、 リミックスでは森重のボーカルがハッキリ聞こえるようになった。 |
それにしても、リリースから何年も経っているならともかく、銀盤から1年ちょっとで、このリリースは、あまりにもファンに対して、誠意がないやり方だ。会社経営的に商品を絶えず供給し、利益を上げようと言う意識は、商売である以上、仕方がないのかも知れないが、長く廃盤が続いている旧作の再発売など優先事項は他にもあったはず…。これだけは、きちんと言っておかねばならない。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
WORST -VERY BEST OF SNAKE HIP SHAKES-
商品番号(限定版):MECR-3019
商品番号(通常版):MECR-2004
Release Date:2003.12.21
Produced by:SNAKE HIP SHAKES
最高位:149位
通常盤、限定盤共通CD | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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No | TITLE | 作詞 | 作曲 | 動画 | 歌詞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | SNAKE HIP SHAKES | Juichi | SNAKE HIP SHAKES | ![]() |
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2 | River of Tears | Juichi | Juichi | ![]() |
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3 | ACCEL | Juichi | SOWNIN MATSUO | ![]() |
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4 | RAIN | Juichi | SOWNIN MATSUO | ![]() |
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5 | POISON CHERRY | Juichi | Juichi | ![]() |
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6 | R&Rミュージックに首ったけ | Juichi | Juichi | ![]() |
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7 | 翳りゆく夏に | Juichi | Juichi | ![]() |
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8 | うたかたのShining Days | Juichi | MASATO TSUYA | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
9 | 澱みない宵闇の蒼さの果てに | Juichi | Juichi | ![]() |
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10 | 永遠のjustice〜この道の果てに〜 | Juichi | Juichi | ![]() |
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11 | BRAINSICK HIPSTER | Juichi | Juichi | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
12 | DEAR MY FRIEND | Juichi | SOWNIN MATSUO | ![]() |
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13 | MELANCHOLIA | Juichi | Juichi | ![]() |
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14 | BLACK OUT(失した週末に) | Juichi | Juichi | ![]() |
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15 | STRONG WILL | Juichi | Juichi | ![]() |
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16 | 美しき日々 | Juichi | Juichi | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
限定盤DVD SECRET FILMS “LIVE&RARE” | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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振り返って現状よりも過去がいいという状況ではないので
前向きに出せるかなと思った…というのはありますね。
森重樹一/「BURRN!」2004年1月号 インタビューより
がむしゃらに走り続けた誇り高き美しき日々を総括したSNAKE HIP SHAKES時代のベストアルバム。選曲的には[6]、[11]のように決して代表曲とは言えない作品も収録されているが、これはポップな曲ばかりにならないようにバランスを考えての選曲らしい。
このアルバムでは何と言っても、新録音した未発表曲2曲が収録されているのが目玉だが、[8]はSNAKE HIP SHAKESの1st LIVEでも披露されていた津谷の曲。メロディの起伏も大きく、複雑な構成を持った難曲で、LIVEでも今ひとつまとまりが悪かったが、今回新たに録音されたバージョンではすっきりとまとまっており、素晴らしい仕上がりだ。
もう一つの新曲[16]は「NEVER SAY DIE」のアウトテイクで、デモバージョンの仮タイトルは「やっぱりビートルズ」だったというミディアムテンポのバラード。結局、松尾のキャラクターとLIVEの再現性を考えて、このアレンジに変更したとのこと。森重のハーモニカの響きが美しい。
また初回限定盤(DVD LIMITED EDITION)のみ、渋谷ON AIR EAST、下北沢CLUB251、新宿LOFT、高田馬場AREA、渋谷AX、原宿FAB(SNAKE HIP SHAKESのLAST GIG)から選ばれた15曲のLIVE映像が収めたDVDが付いている。ハッキリ言って画像はブートレッグを思わせる荒い映像だが、構成が若干異なる[1]やLAST GIGの貴重な映像[8]~[15]まで8曲が収められるなどファン必見の内容である。
万人が納得のいく選曲のベスト盤というのは難しいものだが、このDVDが、ベスト盤の選曲からもれた佳曲をうまくフォローしている構成になっている。よって、このアルバムは2枚組の初回限定盤の状態で評価されるべき作品のだろう。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
ROCK’N’ROLL FREEDOM!
No | TITLE | 作詞 | 作曲 | 動画 | 歌詞 |
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1 | Introduction | – | MASATO TSUYA | ||
2 | ROCK AND ROLL FREEDOM! | Juichi | Juichi | ![]() |
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3 | BABYLON JUNKS | Juichi | Juichi | ||
4 | SLEAZY COME, NOISY GO! | Juichi | Juichi | ||
5 | 魔法にかかったみたいに | Juichi | Juichi | ![]() |
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6 | My Love | Juichi | Juichi | ![]() |
![]() |
7 | 愚か者のパレード | Juichi | SOUNIN MATSUO | ![]() |
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8 | RECKLESS IMITATOR | Juichi | SOUNIN MATSUO | ||
9 | swanky☆boyz & punky☆girlz | Juichi | MASATO TSUYA | ||
10 | もぬけのから | Juichi | Juichi | ![]() |
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11 | Hello | Juichi | Juichi | ||
12 | 夢見る頃を過ぎても | Juichi | Juichi |
メンバーにも早い時期から、次はホントに「THIS IS ZIGGY」な作品、みんなが聴いたときに「ZIGGYってコレだよね!」って言えるやつを、変に誤解されないカタチで出したいって言っていた。
森重樹一 UV 03年 vol.94 インタビューより
銀盤発表直後に、森重が次作を「ZIGGYらしいアルバムにしたい」と予言していた通り、通算16作目のこのアルバムは、「This is ZIGGY」をコンセプトに、明確な目標に向けて作り込んだ傑作になった。
このアルバム制作にあたっては、メンバー間でのシビアなミーティングが行われたという。SNAKE HIP SHAKES時代から全力で走ってきた弊害か、各人にバンドに対する意識のズレもあったらしい。そういった問題点も修正し、各人の指向性を再確認したおかげでか、出来上がった各曲のクオリティは、見事なものになった。
オープニングは、津谷作のインスト(ZIGGYの長い歴史で、初めてのことである)。元々彼の作ってきた複雑な曲構成をもった元曲が完成せずにいじりまわしているうちに、このようなインストになったという。続くタイトル曲は「FEELIN’ SATISFIED」あたりを思わせる直球のROCK’N ROLL。更に続くのがリフ主体のダークな雰囲気を感じる[3]だが、この流れが絶品だ。ナスティ・ハビッツを意識したかのような高樹リオのバックコーラスが素晴らしい[4]、松尾が初めてリードヴォーカルをとったストーンズ的な’松尾節’が光る[7]も話題になった。ストーンズのバラードのようなギターと、森重の内省的な歌詞が光る[10]、ZIGGY版「JUMPING JACK FLASH」といった趣の[11]など松尾のギターがROLLING STONES的なサウンドに色濃く染まっているのも、このアルバムの特徴だろう。なお、先行シングルカットされた[6]は別バージョンなので注意!
彼らの初期のベスト盤「ORDER MADE」に収録されたキャッチーな曲の数々を「ZIGGYそのもの」というなら、少々物足りないと思うファンも多いだろうが、「GLORIA」的キャッチーさ以外にZIGGYが生み出してきた曲の基本ラインを大幅に外すことなく、かつては地味な扱いにあった洋楽ロック色の濃いナンバーを見事にクオリティアップできた作品提示したこの作品は”今”の彼らを映し出す鏡であり、まさに「THIS IS ZIGGY」なのだ。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
HEAVEN AND HELL II
No | TITLE | 作詞 | 作曲 | 動画 | 歌詞 |
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1 | INNER SPACE FLIGHT #1 | Juichi | MASATO TSUYA | ![]() |
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2 | LOVE SHINE | Juichi | Juichi | ||
3 | BURNING LOVE | Juichi | Juichi | ![]() |
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4 | ウヰスキーと混沌 | Juichi | Juichi | ||
5 | HEAVEN AND HELL | Juichi | Juichi | ![]() |
![]() |
6 | FAITH | Juichi | SOUNIN MATSUO | ![]() |
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7 | JEALOUSY~ジェラシー~ | Juichi | Juichi | ![]() |
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8 | 誓い~放浪者の丘の静けき夜~ | Juichi | Juichi | ![]() |
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9 | KISS ME | Juichi | Juichi | ![]() |
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10 | HAPPY BIRTHDAY | Juichi | Juichi | ![]() |
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11 | 世界の果てまで | Juichi | Juichi | ![]() |
多分みんなティピカルなものを想像していたと思うんだよね。
でも、それってさ、予定調和じゃん?
森重樹一/「UV」インタビューより
問題作になった通称・金盤「HEAVEN AND HELL」の続編……とは言え、前作にあったパンキッシュな疾走感とは全く正反対のスロー、ミディアム中心の落ち着いたアルバムだ。
前作は速い曲ばかりだったため、スーパードラマーとしてのJOEがクローズアップされたが、今作では松尾のギターが一躍クローズアップされる形となっている。得意のスライドギターが冴え渡る[4]はもちろんだが、既に一部で「エレキよりもうまい」と言われていたアコースティック・ギターのプレイが素晴らしい。ギタリストとしての松尾は、近年、練り込まれていないアドリブ中心のプレイが目立っていたが、今回はどの曲も今までと比べて格段にアレンジ面で練り込まれており「ギタリスト・松尾宗仁」の株を上げる一枚になったのではないだろうか。
こういった企画になるとバラード集になりがちなものだが、単純なバラード集ではなく、ブルース([4][10])、ジャズ([9])、フラメンコ([8])などの要素が加わった楽曲が効果的に挟まれるなどバラエティに富んでおり、各曲の完成度も極めて高い。
オープニングは、意表をついて津谷作の[1]。ビートルズ的(と言うよりポール・マッカートニー的)なアコースティックナンバーであるこの曲は、津谷の音楽的素養の広さ、深さを知らしめる名曲と言って良いだろう(なお、スリーフィンガーの印象的ギターは、津谷によるもの)。続いて戸城憲夫的テイストも感じさせる通好みのナンバー[2]を経て、森重、松尾にとって3度目の録音になる[3]へ…。この曲がまた秀逸だ。きちんと考え抜かれた編曲も良いが、森重の芳醇な香りのボーカルが何よりも素晴らしい。キーが一音下がっている事が、ある意味、森重の声の衰えを感じさせる…といった見方も可能だが、過去のバージョンと比べて圧倒的に向上した表現力が、森重樹一というボーカリストの今を象徴している。(何かを失うことによって何かを得ることが出来る。それはとても素晴らしいことなのだ…)
リメイクは、他にも[7][9]が収められているが、旧バージョンとは全く違う味付けがなされており、過去の楽曲のただの焼き直しとは違うプラスアルファを充分に感じさせてくれる。また、金銀のコンセプトを象徴し、前作に引き続き収録された[5]は、メロディの良さを金盤のバージョン以上に引き出すことに成功しているアコースティック・バージョン。
しかしこのアルバム最大の聞き所は[11]だ。ある意味、これは森重樹一の最高傑作バラードと言っても良い。トライベッカの高樹リオ(彼女は松尾の誘いで[9]にも参加)のゴスペル風コーラスとともに感動的に盛り上がるこの曲を聴くためだけでもこのCDを買う価値があると断言したい。
年を取ると柔軟性が失われ、新しい音楽を聴いても感動できなくなる。しかし、このバンドは私にとって「時は誰も」「世界の果てまで」と約1年に2回も素晴らしい感動を与えてくれたのだ。ZIGGYの各メンバーに最大級の感謝を捧げたい。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
HEAVEN AND HELL
No | TITLE | 作詞 | 作曲 | 動画 | 歌詞 |
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1 | MY CONVICTION | Juichi | Juichi | ![]() |
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2 | ONEWAY TRAIN〜ROCK’N ROLL IS STILL ALIVE〜 | Juichi | Juichi | ||
3 | AGAIN | Juichi | Juichi | ![]() |
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4 | SO HAPPY | Juichi | SOWNIN MATSUO | ||
5 | HEAVEN AND HELL | Juichi | Juichi | ![]() |
![]() |
6 | CELEBRATION | Juichi | Juichi | ||
7 | SLAVE TO LOVE | Juichi | Juichi | ||
8 | サダメノツルギ | Juichi | SOUNIN MATSUO | ||
9 | 明日は誰も知らない | Juichi | MASATO TSUYA | ![]() |
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10 | 希望という名の花 | Juichi | Juichi |
自分のアンテナに引っ掛かってくるものに忠実でいたいし、
今、自分自身がワクワクできるものに触発されながら
何かを作りたいし
森重樹一/「UV」2002年 Vol.81インタビューより
ZIGGY名義の復活第1弾。当初は2枚組の予定で作業を進めていたようだが、スケジュール的に無理が生じたため、夏にリズム重視なアルバム、冬にメロウなアルバム…というアルバムのカラーを明確にした2枚リリースという形に落ち着いた。
アルバムは、昨今のパンクブームに色目を使ったわけではないだろうが、ZIGGYの歴史からすると、比較的パンキッシュな風情が感じられる作品が多く収められている。(とは言え、「まんまパンク」と呼べるものは少ないが…)「速さの限界に挑戦」と公言していただけのことはあるスピード重視のパンキッシュな[2]が、その代表的作品として挙げられるだろう。
前作に収められた「STORNG WILL」同様、前向きな強気の森重の姿勢が感じられる作品[1]からアルバムはスタ−ト。前述の[2]を挟み、人気の高い[3]…と勢いの良い曲が並ぶ。[3]は当初、別のミュージシャンに提供する予定がボツになったためZIGGYの楽曲として日の目を見た。普段のZIGGYの作風に近い曲だ。
他にもギョッとするような意外な宗仁のギターが効果的なダークな作品[6](死去したアリス・イン・チェインジスのボーカリスト・レイン・ステイリーに捧げる意味もあるようで「CRAWL」以来のダークな作風が堪能できる)いつも通りコーラスアレンジに多大な貢献している津谷正人がソングライターとして初めて名を連ねた[9]なども質の高い作品も多い。アルバムで唯一メロウな雰囲気のある[10]は、当初森重のソロ用に用意されていたナンバー。
結局の所、ZIGGYの売りの一つでもあるバラードが収録されていないことなどから、ファンの間では賛否両論あった作品となったが、私はそういった方向性よりも楽曲の質自体にSNAKE HIP SHAKES時代の3枚よりも輝きが足りないと思えるのだ。このチャレンジが成功だったか失敗だったかは、意見の分かれるところだろう。この作品の真の評価は、何年か後に下されるのかもしれない。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。
NEVER SAY DIE
No | TITLE | 作詞 | 作曲 | 動画 | 歌詞 |
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1 | NEVER SAY DIE | Juichi | SOWNIN MATSUO | ||
2 | R&Rミュージックに首ったけ | Juichi | Juichi | ![]() |
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3 | MELANCHOLIA | Juichi | Juichi | ![]() |
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4 | RAIN | Juichi | SOWNIN MATSUO | ![]() |
![]() |
5 | BRAND NEW KICKS | Juichi | Juichi | ||
6 | STRONG WILL | Juichi | Juichi | ![]() |
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7 | 翳りゆく夏に | Juichi | Juichi | ![]() |
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8 | 地図にない道 | Juichi | SOWNIN MATSUO | ||
9 | Inside Outside | Juichi | Juichi | ||
10 | 時は誰も | Juichi | SOWNIN MATSUO | ![]() |
どう実を結んでどう枯れるか。それを証明していくのが、
今後俺たちがやっていかないといけないことじゃないのかな。
森重樹一/「UV」Vol.74インタビューより
前作からわずか8ヶ月後に発表されたSNAKE HIP SHAKES名義のオリジナルアルバム最後の作品。「年内にもう1枚出す」と宣言していたとはいえ、まさか本当に年内に出るとは思わなかった。彼らのクリエィティヴな姿勢が本物であることを裏付けたと言えよう。
前2作が、それまで新曲をライヴで演奏し、磨きを掛けスタジオ録音に持っていった…という作品が大半を占めていたが、今回は既にライヴで披露済みだったのは[9]のみで、残りは殆ど書き下ろしで構成され、スタジオワークを意識したサウンド処理に取り組んでいる。
レコーディングは、SNAKE HIP SHAKESとなってから恒例となった河中湖での合宿でスタートしたものの、途中、[8]の録音を巡って過去3作のエンジニア瀬山氏とバンド側が対立。トラックダウン時に急遽エンジニアを交代するといったハプニングが勃発している。瀬山氏との対立は、彼の「ロック」に対する音のこだわりがSNAKE HIP SHAKES側と一致しなかったことにあったらしい。このエンジニア交代劇ゆえか前3作に比べると、間口の広い柔軟な音楽性と、艶のある森重のボーカルが光る作品となった。
今回のアルバムで特徴的なのは、[1][6][10]など森重の詩に「老い」「終わり」「限りある時間」を意識したものが目立つということだ。このアルバム発表から1年ほど前に、森重の叔母が亡くなった事が、彼の書く歌詞に大きな影響を及ぼした事は容易に想像できる。中でも[6]は「いつか終わりが来るはずなのだから、限られた時間を悔いの無いよう生きよう」という森重の強い意志が歌いこまれた名曲となった。また[1]は、数年後の自分の姿を思い描きながら、自分の信念が歌いこまれるナンバーで、このアルバムを象徴するナンバーといえよう。他にも、そういった強い意志を歌ったものとしては、過去の自分に対する反省と、それゆえに悟った強い意志を歌った[4]も忘れられない名曲となったといえよう。
音楽的にも「ロックはこうでなければいけない」という「形式」に拘らず、「自分たちにとってのロック」を最優先したゆえ、バラエティ豊かな曲が並ぶ。まさに「森重節」ともいえるポップな[3][7]、50’S、60’Sポップス的津谷のバックコーラスが効果的な[5]、前作の「ACCEL」同様の松尾流メロコア[8]も光り、アルバムの多彩な色付けに成功している。個人的には、老いや枯れを意識しながらも今を生きる強い意志を歌った[10]が、曲、歌詞、サウンドどれをとっても最高の出来だと思ってる。
前2作に比べると、R&Rの形式的疾走感が落ちるゆえ、ファンの評価は今ひとつのようにも思えるが、幅広い音楽性と、譲れない強い意志、経験を重ねたバンドゆえの深い味わいが一体となった素晴らしい作品だと思う。
※この記事は過去に運営されていたファンサイトの記事を元に再構成させていただきました。